■「伝え方」を変えるだけで親子関係が深まる
子どもとの関係に悩んでいる保護者は少なくない。
私もかつてはどう向き合えばよいか分からず、距離を感じていた時期があった。
福田健氏の『子どもは話し方で9割変わる』は、そんな私にとって「対話とは何か」を教えてくれた本である。
本書で紹介されているのは、「説明より共感が先」という原則だ。
たとえば、子どもが「宿題いやだ」と言ったときに「やらなきゃダメでしょ」と返すのではなく、「嫌な気持ち、よくわかるよ」とまず受け止める。
この一言があるかどうかで、その後の対話の質がまるで違う。
共感されると、子どもは自分の感情が尊重されたと感じる。
そこからようやく、アドバイスや提案が届くようになる。
私自身、この変化を目の当たりにしてきた。
感情の受容が、行動の原動力になるのだ。
『子どもは話し方で9割変わる』は、単なる会話術ではない。
親子や師弟関係を根本から見直すヒントに満ちた一冊である。
「何を言うか」ではなく、「どう言うか」。
これを常に意識することは現実的に中々難しい。
ただ、この意識を ”日々少しだけ頭の片隅に置く” 事。
この事が子どもとの関係を築く第一歩となるのではないだろうか。
【参考文献】
子どもは話し方で9割変わる
福田健
すばる舎
2016年
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