『シン読解力』(新井紀子 著)を読んで、私は教育する者としての原点に立ち返るような思いを抱きました。
表面的な読解ではなく、「意味」を構造として捉える力。
これは、これからの時代にこそ求められる力だと確信しています。
多くの子どもたちは「読めているつもり」になっています。
テストでは点が取れても、社会に出ると情報に振り回されてしまう――そんな姿を、私は何度も目にしてきました。
『シン読解力』では、「意味がわからない」状態がどのように起きるのかが、データと論理で明確に示されています。
読解力は、知識ではなく構造を理解する力。
そしてそれは、指導と訓練で育てられる力でもあるのです。
戸倉の教育方針はまさにそこにあります。
教科の枠を超えて「考え方そのもの」を身につけていく。
AI時代における人間の強み――それが、読解力に他なりません。
読解力は、テストのためだけにあるのではなく、「生き方」に直結しています。
この視点をもって、これからの学びを考えていきたいと強く思います。
【参考文献】
『シン読解力』 新井紀子/東洋経済新報社(2023年)